無職23日目
急に母から電話がかかってきた。午前9:00のことだ。ぼくは、曜日を確かめた。
『木曜日か』
この時間に出るべきではない。無視することにした。母はまだ僕が無職なのを知らない。
『1時間後またかかってきたら考えよう。』
かかってこなかった。午後5時30分こちらからかけなおした。とても忙しい振りをして、
『電話した?』
どうせ大した用事ではない。はやくい言え
『あんた、今日仕事だったん?』
なに、どういう意味だ。まさか、知っているのか。なぜだ、どうして、だれから、いつ?僕の頭がフル回転した。
いや、奴はまだ知らない。悟られてはいけない。僕は冷静を装いながらこたえた。
『そうよ』
遅くもなく、早くもなく、正しい、完璧なテンションでそう答えた。電話でよかった。目は、おそらく嘘をついている。しかし、これ以上はない。
『なんで』
なんで、なんでなんで、どういうことだ。なんか納得してなさそうだ。今日木曜日よね。いや、土曜日なんか?いや、木曜日、間違っていない。なぜなんだ。
そして、
『届いとるんよね』
届いとる?なにが、えっ、まさか、辞めた会社からの書類とかかー。なんで、なんでだ、、、
『アマゾン』
そうか、アマゾンたのんだわ。実家に届くように。そうか。アマゾンか。
『開けて使っていいよ。それだけきるよ」
『ちょっと待って何で今日仕事なん』
何で今日仕事なん、どういうこと、今日仕事はまずいん?えっどういうこと。いけんのん。
『会社カレンダーじゃけ』
どこの会社かしらんけど、無職じゃけど、
『なんで、今日、祭日じゃないん』
今日は祭日だった。